並べ替えの「モード」と画像の「特徴量」とは

特徴量とは

■ 特徴量

ツールに蓄積されている画像「蓄積画像」と、比較対象としてツールに入力した画像「入力画像」について、以下の「特徴量」をそれぞれ算出して比較することで、入力画像の特徴量と値が近い順に蓄積画像が並べ替えられ、表示されます。
エッジパターン特徴量 エッジとは、画像中に含まれる明るさ(濃淡)もしくは色が急に変化している箇所のことであり、エッジパターン特徴量とはエッジにより表された局所的な形状の分布をその画像の特徴量として数値化したものです。
この特徴量を比較することで、形状が近いと機械的に評価して蓄積画像を並び替えることができます。
色特徴量 画像中に含まれる色の分布(画像中におけるそれぞれの色の出現量)をその画像の特徴量として数値化したものです。
この特徴量を比較することで、色の分布が近いと機械的に評価して蓄積画像を並び替えることができます。
アスペクト比特徴量 画像のアスペクト(縦横)比を特徴量として数値化したものです。
この特徴量を比較することで、アスペクト比が近いと機械的に評価して蓄積画像を並び替えることができます。

■ 特徴量算出以外の追加機能

このツールの並べ替え機能には、上述の特徴量の算出の他に以下の追加機能を含みます。
左右反転 この機能を使用することで、入力画像に加え、入力画像を左右に反転させた画像も比較対象となります。
90°回転 この機能を使用することで、入力画像に加え、入力画像を左右に90°回転させた画像も比較対象となります。
構成部品抽出 この機能を使用することで、入力画像と蓄積画像から特徴的な図形をそれぞれの「構成部品」として抽出し、構成部品の特徴量を算出して画像同士を比較することができます。

それぞれの並べ替えモードの特徴

このツールは、入力画像と近い順に蓄積画像を並べ替えて表示することができますが、近いかどうかの評価はイメージデータに含まれる「形」や「色」の情報をもとに機械的におこなわれます。
並べ替えの観点(形重視や色重視など)に応じた「モード」を選択して並べ替えを実行致します。
各モードの特徴は以下の表のとおりです。
# 入力画像例 並べ替え
モード
特徴 並べ替え上位に表示される例
1 入力画像例(色・形) 形+色 「形」と「色」と画像の縦横比を総合的に評価し、入力画像に近い蓄積画像が上位に表示されます。
詳しくは…
「形+色」モードは、画像の比較に形(エッジパターン特徴量)と色(色特徴量)とアスペクト比[画像の縦横比](アスペクト特徴量)を使用したモードです。形、色、アスペクト比が入力画像に近いと認識された蓄積画像が上位に表示されます。
結果例(標準)
2 「形」と画像の縦横比に着目して評価し、「色」が異なる場合でも、「形」と縦横比が入力画像に近い蓄積画像が上位に表示されます。意匠制度の審査における類否判断の評価手法に近い比較方法です。
詳しくは…
「形」モードは、画像の比較に形(エッジパターン特徴量)とアスペクト比[画像の縦横比](アスペクト特徴量)を使用したモードです。色の違いは考慮されず、形とアスペクト比が入力画像に近いと評価された蓄積画像が上位に表示されます。
結果例(形)
3 「色」のみに着目して評価し、「形」や画像の縦横比が異なる場合でも、「色」が入力画像に近い蓄積画像が上位に表示されます。
詳しくは…
「色」モードは、画像の比較に色(色特徴量)のみを使用したモードです。形とアスペクト比[画像の縦横比]の違いは考慮されず、色が入力画像に近いと評価された蓄積画像が上位に表示されます。
結果例(色)
4 90°回転(形+色) 入力画像に加えて入力画像を左右に90°回転したものに近いと評価された蓄積画像が上位に表示されます。 「形+色」モードを用いています。
詳しくは…
「90°回転(形+色)」モードは、「形+色」モードの設定に左右90°回転の機能を追加したモードです。「形+色」モードで近いと評価された蓄積画像に加え、入力画像の向きを左右に90°回転した画像に近いと評価された蓄積画像も上位に表示されます。画像の比較には形(エッジパターン特徴量)と色(色特徴量)とアスペクト比[縦横比](アスペクト特徴量)を使用しています。
結果例(標準+90°)
5 入力画像例(単一部品) 単一部品(形+色) 蓄積画像の一部に入力画像が含まれるものが上位に表示されます。「形+色」モードを用いています。
詳しくは…
「単一部品(形+色)」モードは、「形+色」モードの設定に構成部品抽出の機能を追加したモードです。蓄積画像から特徴的な図形を構成部品として抽出して特徴量を算出し、入力画像に近いと評価された構成部品を持つ蓄積画像が上位に表示されます。画像の比較には形(エッジパターン特徴量)と色(色特徴量)とアスペクト比[縦横比](アスペクト特徴量)を使用しています。
結果例(単一部品)
6 入力画像例(複数部品) 複数部品(形+色) 入力画像を構成部品ごとに分解し、これらの構成部品を含む蓄積画像が配置を問わず上位に表示されます。「形+色」モードを用いています。
詳しくは…
「複数部品(形+色)」モードは、「形+色」モードの設定に部分抽出の機能を追加したモードです。蓄積画像と入力画像の両方から特徴的な図形を構成部品として抽出して特徴量を算出し、入力画像の部分画像に近いと認識された構成部品を持つ蓄積画像が上位に表示されます。画像の比較には形(エッジパターン特徴量)と色(色特徴量)とアスペクト比[縦横比](アスペクト特徴量)を使用しています。
結果例(単一部品)

並べ替えモードが使用している詳細機能の一覧

各並べ替えモードが使用している特徴量および機能は、下の表のとおりです。
# 並べ替え
モード
特徴量 追加機能
エッジパターン
特徴量
色特徴量 アスペクト
特徴量
左右反転 90°回転 構成部品抽出
1 形+色
2
3
4 90°回転(形+色)
5 単一部品(形+色)
6 複数部品(形+色)

ページトップ